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年間行事

お正月 期間 [ 1月 ]

お正月にはお寺へお参りして、御本尊さまや御先祖さまに、一年の安泰をお祈りします。例えば、年末にお墓の掃除を行っておき、正月に参拝されるのが理想的といえるでしょう。御先祖さまにも、気持ちよく新年を迎えていただきたいですね。

お正月にお参りされた方には、家内安全のお札をお配りしております。

お彼岸 期間 [ 3月・9月 ]

お彼岸は、春と秋に行われる行事です。3月には「春分」、9月には「秋分」をそれぞれ中日(ちゅうにち)として、前後6日間、合計7日間にわたります。もともとは、仏教の基本となる修行を実践して、悟りの世界である「彼岸」へ至ることを目的していました。

歴史的には平安時代の初期に、日本で初めての彼岸会(ひがんえ)が行われたとされています。その目的は、無実の罪によって亡くなった貴人を供養するというものでした。つまり、当時からお彼岸には死者を供養する習慣があったといえます。

お彼岸の期間中は、一度はお墓参りをして、御先祖さまをご供養して差し上げるとともに、「暑さ寒さも彼岸まで」という季節の節目も感じていただきたいと思います。

お盆 期間 [ 8月13日~16日 ]

お盆は1年のうちで最も重要な仏教行事です。8月13日から16日の4日間にわたり、亡くなれた方々がこの世に戻ってくるといわれています。

この期間中は、家に精霊棚(盆棚)を設けて食事などをお供えし、御先祖さまをもてなしてご供養いたします。棚を設置するのが難しい場合は、仏壇でも構いません。

お盆の流れ
13日(迎え)

お寺へ参拝してお墓参りをし、死者を家へ迎えます。提灯を持参して、お寺で火をいただきます。

14日、15日

この二日間は、僧侶が檀徒の家をまわってお経をあげる棚経を行います。また、当山では14日に新盆の供養法要を本堂で執り行っています。

16日(送り)

再びお寺へ参拝して、死者を送り出します。

[ お盆の由来と歴史 ]

お盆は正式には「盂蘭盆(うらぼん)」といい、古代インドのサンスクリット語「ウラバンナ」(逆さづり)がその語源です。子孫に供養されない霊は、逆さづりの苦しみを受けると考えられたことから、その霊に飲食を与えて苦しみを和らげようとした古代インドの先祖供養に、お盆の起源があります。

さらに、仏教としてお盆が定着するには、『盂蘭盆経』というお経が根拠となりました。それによれば、お釈迦さまの弟子である目連(もくれん)という者が、餓鬼道(飢えに苦しむ世界)に落ちた自分の母を救うため、お釈迦さまに教えを乞うたところ、次のように諭されます。「夏の間、寺に籠って修行をする僧侶に飲食を供養せよ。そうすれば、そなたの母も救われる」。目連がお釈迦さまの言う通りにしたところ、母の苦しみは癒されたということです。

このように孝行を説いた『盂蘭盆経』は、まず中国で尊ばれ、やがては日本にも伝わって、奈良時代にはお盆が営まれていました。そして、時代を経るにしたがい、様々な習俗と融合することで、日本独自の仏教行事としてのお盆が形づくられていったのです。

幕末期のお盆の風景  J.M.W.Silver 『Sketches of Japanese manners and customs』(1867)より

ご参拝のマナー

お彼岸やお盆にお寺へ参拝される際には、まず本堂へ上がって御本尊さまにご挨拶します。焼香台の前に立ったら、まず合掌一礼し、それから線香をお供えして、また合掌一礼し、退出します。お墓参りの際には、掃除を行い、お線香やお花をお供えします。

お寺は交流の場

お寺へご参拝の際には、ご家族そろって来ていただくのが望ましいでしょう。特にお子さまや若い方には、時々にでもご参拝いただくことで、ご家庭の仏事やお寺でのマナーを知る良い機会となります。

また、お彼岸やお盆には多くの方がお寺に集まるため、親類や古い知り合いなどに会うこともあります。そうした人と人との出会いの場としても、ご参拝の機会を大切にしていただければと思います。